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東京都からUターン

高橋 身依さん

未経験でも大丈夫! 夫婦で新規就農10年目。

30歳のときに神戸出身のご主人と一緒に酒田市にUターン。ご実家の農家を継いで10年目。
お父様、お母様、旦那様の4人で、イチゴ、メロン、米、ケイトウ、大根、干し大根をつくっていらっしゃいます。

酒田市にUターンしたきっかけは?

夫が農業をしたいって言い出したことですね。私の実家が農家だって話したら、酒田に行こうって話になって、親に会わせて、あっという間に酒田にUターンして農業を継ぐことになってました。夫はバーテンダーをしていたのですが、健康的な仕事にあこがれていたようです。農業は未経験だったんですが、がんばればなんとかなると思ったみたいです。
私は東京で美容師をしていて、赤阪見付や原宿の美容院に勤務していたんです。それなりに都会のきらきらした場所で、いろいろあったけど充実して仕事をしていました。でも、結婚を考えていた今の夫が農業したいって言うし、これからの子育てとか考えて、酒田に戻ろうって思って。
夫と二人で、酒田にUターンして、実家の農業に携わることになりました。


身依さんと旦那さん

 

現在のお仕事内容について教えて下さい。

大体水稲9ヘクタール(*)、イチゴ25アール(*)、ネットメロン10アール、お盆の花(ケイトウ)10アール、干し大根30アール、青首大根10アールを、季節ごとに何かの収穫があるように計画して作付けしています。
私の主担当品目はイチゴで、年間を通して栽培していて、厳寒期をのぞき出荷しています。
イチゴのハウスは8棟で、主にサマーティアラと紅ほっぺという品種を栽培しています。
収穫やパック詰め、産直やケーキ屋さんへの配達、注文の受付、手入れなど、4月から6月までは毎日てんてこまいです。
就農して10年ほどたちますが、まだまだ1人前には程遠く、毎日が勉強です。

(*)1ヘクタール=100メートル×100メートル=10000平方メートル
   1アール=10メートル×10メートル=100平方メートル


 

年間、一日の大まかなスケジュールは?

年間スケジュール

我が家は、家族それぞれに担当作物があり、私の主担当はイチゴです。一緒に作業することもあるし、それぞれが作業することもあります。
私の1年のスケジュールですが、1月はハウス大根を出荷して、2月、3月はイチゴの整理、手入れやハウスの草とりをしています。3月後半から4月は、温床でメロンの種を発芽させて苗をつくっています。
4月中旬からイチゴの紅ほっぺ、6月からはサマーティアラの収穫で大忙しです。
7月は紅ほっぺの苗をエアコンの効いた小屋に入れたり出したりして冬眠させます。
8月のお盆前は、お盆用にケイトウを出荷して、9月から10月は稲刈り、11月は漬物専用の大根を収穫して干して、12月はイチゴ収穫と青首だいこんを収穫、というような感じです。

一日のスケジュール(11月下旬の場合)

1日のスケジュールは、時期によって違いますが、今は(*11月下旬)干し大根(*)の時期ですね。
朝6時半ころに大根を抜いて、8時くらいに自宅に帰って朝ごはん、子どもを保育園に送り出して、9時半くらいからまた大根を洗って干して、お昼に自宅に戻って、また1時くらいから4時くらいまで大根を洗って干す、というスケジュールです。
イチゴの時期は午前5時〜8時の間に収穫して、その後はパック詰めだったり、時期によって違いますね。


(*)水分が少なくて細長い漬物専用の大根を1週間くらい干して、たくあん用に出荷します。

 

仕事でうれしいことは?

やっぱり育てた実ができると、結果が出た! って思ってうれしいです。
大根だったら、抜いてみないと出来がわからないので、抜いてみて、いい出来だとすごくうれしいです。
今年、干し大根の畑の場所を今までの所とまったく違う場所に変えてみました。
その過程で、夫といろいろ揉めたりしたんですが(笑)、結果すごくいいものが出来たんですよ! これまでの努力が実ったって思って、すごくテンションあがりました。

あと、産直で商品を並べていると、お客様が「おいしかったよ。」とか「あなたがつくってるんだね。」と話しかけてくれることがあります。普段、お客様と直接お話しする機会がないので、お話しするのがとてもうれしいです! つい「このイチゴが食べごろですよ!」って選んであげちゃったりします(笑)。

 

おいしいイチゴの見分け方のコツはありますか?


イチゴの目利き♪


イチゴをネズミから守っています。

イチゴは熟すと種がしずむので、そこをチェックしてもらいたいですね。
毛穴っていうか種穴? くぼみが深いのが熟していて美味しいです。
あとツヤでしょうか。色は、日光にあたると赤くなるので、ツヤと毛穴がポイントです!

 

お仕事の際に心掛けていることはありますか?

イチゴを美味しい状態で地元に流通させたいと思っています。
イチゴは輸送に弱いので、自分の責任で運べるところに、おいしい状態のイチゴを届けたいですね。出荷の際は日持ちも計算してパック詰めしていますが、産直に出荷するイチゴはなっている状態ですぐに食べておいしいものを入れるように心掛けています。


 

高橋さんは酒田市農業女子会「すくすくあぐりネット」の活動も行っています。農業女子会について教えてください。

酒田市の若手農業者グループ「すくすくあぐりネット」(*1)は農家のお嫁さんや跡取り娘たちで結成された農業女子会です。
月に1回のファーマーズマーケットの開催や関東方面への野菜ボックスの宅配、横浜の幼稚園の保護者との野菜を通しての交流などをしています。
現在メンバーは16名で、農家だけでなくこんにゃく屋さんや、いとこ煮(*2)をつくっている人なども参加してにぎやかに活動しています。
農家と一言で言っても、酪農の人や産直出荷用に少量多品目栽培の人、従業員を雇って大規模に展開している人、特別栽培の人や農作物加工所で6次産業に取り組んでいる人など、様々なメンバーがいるのでいつもお互いに情報交換しながら、とても良い刺激を受けています。
小さい子どもがいるメンバーがほとんどなので、育児の悩みなどを相談しながら、たまに旦那さんの愚痴なども聞いてもらえてすっきり~(笑)。年代も近く楽しいです。


すくすくあぐりネットメンバーです!

 

■すくすくあぐりネット (*1)

子育て中の20~40代の女性で構成される若手農業グループ。月1回のファーマーズマーケット開催や野菜ボックスの宅配などの活動をしています。
すくすくあぐりネットフェイスブック 
https://ja-jp.facebook.com/sukusukuagri0831/

■いとこ煮 (*2)

山形県庄内地方では、いとこ煮とは小豆ともち米を炊いたもののことを指します。おもてなしの料理として農家を中心に受け継がれてきたもので、独特のもちもちとした食感と、濃厚な甘みが特徴。家庭によって食材が異なり、かぼちゃを入れるところもあります。
http://gt-yamagata.com/recipe/index_aki.html
(やまがた的グリーンツーリズム やまがたの郷土料理より)


 

未経験から農業をはじめるにあたって

一般的な農業は、重労働で長時間働かなくてはいけないなど、辛そうなイメージがありますが、実際は機械化も進んでおり、そんなに力仕事は頻繁にないと思います!
お米の出荷の時期は30キロの米袋を持ち上げたりしますが、大切に育て、待ちに待った実りの30キロは、コツさえつかめば女性でも持てます。これを売ればお金になる~! と思うと馬力もでます(笑)。無理は禁物ですが。
30キロは持てないっていう人は、米袋に入れないで出荷できるシステムもあるので安心ですよ。
体力がないとできないとか、力仕事のイメージがありますが、やってみると全然違うと思います。

漬物専用の大根を干す土台(地元では「はさ」と呼ばれています)を作るとき、木と竹棒をロープできっつく結ばないといけないんですが、そんな時は火事場の馬鹿力じゃないですけど、すごい力がでるんですよね。これが壊れたら、そのあとの手間が大変! って思うと、力がでる(笑)。
農繁期は大忙しですが、自分のペースで計画すれば休みも取れます。
冬はゆっくり半日だけ働くなんてことも結構ありますよ。

農業に向いている人ですか?
やる気があればだれでも、それこそ50歳でも60歳でもできると思います。普及課(*)で技術指導もしてくれますし。機械化で体力もそんなにいらないですし。

*山形県庄内総合支庁 産業経済部 庄内酒田農業技術普及課


 

農業で困ったこと、大変だったことは何かありますか?

毎年同じように作っても、その時その時で何かしらトラブルがあるんです。
定植した苗が枯れていったりとか、大風でハウスが飛ばされたりとか、新しい品種に挑戦したけど、うまくいかなかったりとか。原因が何かわからない時もあったりして。
他の農家さんも作っている作物だと、地域にすごく知識のある方がいていろいろ世話焼きしてくれたりしますね。
ハウスのビニール張るのを手伝ってくれたり。とても助かってます。

失敗しても次の作物でカバーできるのが農業のいいところかなと思っています。
年間を通して様々な作物をつくっているので、たとえばハウスが飛ばされてしまったら、「しょうがない、次の作物で挽回しよう」って切り替えて、次の作物をがんばるんです。
そうすると、結局1年を通してみたら収入が去年と変わらなかったりするんですよね。
今の失敗を引きずってもしょうがないって思って、気持ちを切り替えます!


 

農業技術については、JAの勉強会や日本農業新聞で情報を得ます。
日本農業新聞ってすごく役に立つ情報が載っているんです。
イチゴの受粉のために、ハウスの中でミツバチを飼育しているんですが、ミツバチは暖かくないと活動しないんですよ。
そんなとき、日本農業新聞で「医療用のハエ」がミツバチの代わりに受粉の手伝いをしてくれると載っていたんです。寿命が2週間くらいなのですが、1匹3円くらいで購入できるようです。すごく参考になりました。

酒田ってなんでも作ることができる地域だなって思います。さすがにマンゴーやパイナップルは、作れるかもしれないけどやめとけって言われるかも・・・(笑)
冬もそんなに冷え込まないし、夏のすごく暑い時期も短いし。
うちはほとんどハウス栽培だからかもしれませんが、冬でも出荷できますよ。
路地栽培だと、雪下大根とか出荷されている方もいますね。


ミツバチの巣箱

 

これからチャレンジしたいことはありますか?

来春から「白いイチゴ」の本格的な出荷を予定しています。父には内緒で、母と二人でこっそり植えました。苗は赤いイチゴに似ているので、春の収穫時期になったら、びっくりすると思いますよ(笑)。いつまでも白いって。
ずっと作りたかったので、収穫がとても楽しみです。普通にパック詰めして販売しようかな、かわいい箱に入れてみようかなあとか、考えるのも楽しいです。


 

あとは6次産業化(*1)を進めていきたいです。
11月に山形市内で行われた「第21回全国農業担い手サミット」で、パネルトーク登壇者として参加しました。「未来に向かって発展する夢のある農業」がテーマだったのですが、自分の子どもたちが継ぎたいと思えるような農業を目指しているといったお話をしました。

そこで、天童市でさくらんぼを中心とした観光果樹園を営む方と会いました。
その方はカフェでパフェを提供したりしているんですが、加工品を作ってゴールではなく、その先のことも考えていらっしゃるんです。
加工品を作っただけじゃ、自分が栽培したものが全部使えないって。
「結婚がゴール」じゃないですけど、私の中で「加工品を作ってゴール」と思っていたところがあって。「加工品をつくってからがスタート」の発想に気づかせていただきました。


全国農業担い手サミットでパネラーに

 

イチゴジュースを作って、それをソフトクリームにして販売する、とかいろいろ考えるとわくわくしますね。自分で販売しなくても原料として提供できるかもしれないし、可能性がどんどん広がりますね。
フルーツビネガーも人気がありますよね。自分用に試しにイチゴでつくってみたら、すごくおいしくって。みんなに飲んでもらいたいなあ、商品化できたらなあと思ったり、いろいろアイデアが浮かんできます。

今はジャムとドライフルーツに加工して、販売しています。
去年からイチゴ、メロン、柿をドライフルーツに加工していて、今年はジャムも作りました。

メロンのドライフルーツは、食べると「THE メロン!!!」って感じでおいしかったんですが、作るのは一番難しかったです。
山形県の6次産業化支援制度(*2)を利用したんですが、商品化するのに細菌検査が必要だったんです。メロンのドライフルーツだけが細菌の値が高くて。イチゴは酸性だから、細菌が出にくいんですが、メロンは中性だからでしょうか。
メロンはどうしても栽培時に土に触れてしまうので、皮に細菌がつきやすく、カットするときに果肉に細菌が付着してしまって。
普及課の方と細菌が出ない作り方をいろいろ模索しました。滅菌してすぐに乾燥させることで、商品化することができました。

(*1) 6次産業化

農林漁業の6次産業化とは、1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組みです。(農林水産省ホームページより)

(*2)山形県元気な6次産業化ステップアップ支援事業

山形県では、地域の特産農産物等を活用した加工商品の開発又は生産量の拡大のための農産加工施設の整備、加工機器の導入等の取組みを支援しています。
https://www.pref.yamagata.jp/sangyo/ringyo/ringyo/6140001H29kokibo.html
(山形ホームページ)


高橋さんのドライフルーツ

 

酒田で農業をやりたい方にメッセージを

ぜひ農業をやってください!!
実家が農家な方、実家を継いで農業をやるのもいいですよ。
10年もすれば親に頼られるようになります。
農家は自分の好きなものを栽培できます。イチゴが好きならイチゴを育てたらいいし、メロンでもリンゴでもネギでも何でも好きなものを好きなだけ作れます! 
実家が農業でUターンしてきた場合、お父様など親方が元気いっぱいに仕切っていて、最初は作りたいものを作らせてもらえないかもしれないです。
でも、話し合い、結果を見せていけば、大体10年位で経営をまかせられるようになるパターンが多いです。

未経験だとはじめはちょっとつらいこともあるかもしれません。
最初は素人同然じゃないですか。何をすればいいかわからないから、自分から動けないですよね。ハウスの換気用の窓を閉めるタイミングも、指示されないと気付かないとか。
はじめは就農にわくわくしていても、だんだんつまらないと感じる時がくると思うんです。でもそれを乗り越えて、自分でできるようになってくると楽しさがでてくるんです。
いろんな売り方、育て方、加工方法、いろんな選択肢があります。
自分の好きなようにできるようになると、本当に楽しいですよ。

 

夫は神戸出身で、酒田には知り合いもいなくてやってきましたけど、今はすっかり地元になじんでますね。私より地域の人と仲良くしています。
消防団や獅子舞の会に入ったり、地域の駅伝の監督をしてみたり。中学生の知り合いがいたりするんですよ。
たまに方言がわからなかったよーとか言って、会合から帰ってきたりしますけどね(笑)。初期の頃はわからなかったようですが、今はすっかり聞き取れるようです(笑)。
新しい知り合いに囲まれて充実した生活を送ってます。

酒田での生活は楽しいです。子どもものびのびしていますよ。
20代のころは、東京のイルミネーションがきらきらした場所で働いていて、華やかなところにいる私、がよかったんですが、今はイルミネーションにも興味ないし、買い物も酒田で不自由してないし、酒田での生活に満足しています!


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