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宮城県出身

松本 南美さん

酒田での時間の流れに、心がリラックスするのを感じます

やりたい仕事のために、縁も所縁もない酒田へ来た松本さん。
東京とは異なる時間の流れの中で、新しく挑戦していること、ブレずに持ち続けたい気持ち、移住して起こった変化などを伺いました。

家族の反対を押し切って東京へ

宮城県仙台市で生まれ育ちました。小さい頃から10品目以上の食物アレルギーを持っていたので、幼稚園では自分だけ母が作ったお弁当を食べ、小・中学校時代は、母と栄養士さんに献立表を見て打ち合せをしてもらいながら、食べられる物を食べるという生活でした。友達と同じものを食べたいという気持ちはありましたが、周りのみんなもアレルギーを理解してくれていたので給食が辛い時間だったという記憶はありませんね。
高校卒業後の進路は、自分のように食物アレルギーと向き合っている人たちに寄り添える仕事に就きたいと考えていたので、食と健康について学べる東京の大学へ進学し、管理栄養士の資格取得を目指すことにしました。家族、特に母親からは、実家を出て離れて暮らすことに猛反対されました。食品以外にもアレルギーがあったので、母親としては何か起こったら大変だと、自分の目の届く場所にいて欲しかったんだと思います。そんな思いも理解はしていましたが、当時の私は新しい世界へ踏み出したいって気持ちが大きかったので、自分の意見を押し切っちゃいました。


夢中になれる活動に出会えた大学時代

大学に入学後は、食品メーカーと共同でお菓子を開発する活動もしている学生団体に入りました。自分たちでレシピを考え、メーカーさんに提案して形にしていくなんて、それまでの私の人生では想像もしていなかった活動だったので、すごく楽しくてのめり込みましたね。やりたいことがどんどん溢れてきて、同じ熱量で話せる仲間がいて・・・。必死に活動しているうちにサークルの代表になっていました(笑)。ただ、代表という立場になるとその責任も重く、とあるイベントでは大失敗も経験しました。食物アレルギーに配慮したお菓子を販売したのですが、お客様の大半がアレルギーを持たない方々で・・・。「思っていたのと違う!味もいまいちだし!」なんてご意見を頂戴してしまいました。伝統と実績がある団体だったので、先輩方にも申し訳なかったし後輩たちにも不本意な状態で引き継ぐことになってしまい、落ち込みました。


年間パスポートを買うほど大好きな場所

さらにその活動に必死になりすぎて、学校の成績はかなりまずい状態になっていました。テストは合格点ギリギリ、国家試験の模試でも散々な結果で・・・。管理栄養士の資格を取得して、自分と同じような境遇の人の力になりたいと思って東京に出てきたのに、何もかもが中途半端な自分に凹みました。今振り返っても、あの頃はどん底だったなぁって思います。そこからは勉強に比重をおきつつ、就職に向けて情報を集めたり卒業論文に取り組んだりと、何とか前を向いて進み始めました。友達の励ましもすごく心強かったですね。


所属していた団体の活動
(レシピ開発中)


団体が店頭で販売したお菓子など

やりたい仕事を追いかけて、酒田へ移住

就職に向けて情報収集している際に、ある食品メーカーの「食物アレルギー対応食品を開発しています」という言葉に惹かれ、その会社のインターンへ応募したんです。その時に学んだ社風や対応が素晴らしく、また昼食で用意してくださったアレルギー対応食品がすごく美味しかったので、このメーカーに関わる仕事がしたいなって思いました。
そしてご縁があったのが、酒田市に本社を置くそのメーカーのグループ会社でした。
就活で初めて訪れた酒田市の第一印象は「田んぼ・・・すごい広い!」でした(笑)。生まれ育った仙台市の地区もわりと都会だったので、こんなに広々とした自然の景色は見たことがなくて、綺麗だなって思いました。無事に内定をいただき酒田へ行くことが決まった時には、自分のやりたい仕事に就ける喜びもありましたが、東京を離れる寂しさも大きかったですね。都会の生活も楽しんでいたし、学生団体の代表を務めた印象も強かったからか、大学の友人たちからは「酒田に行くって本当?」「東京でバリバリ働くのかと思ってた」と驚かれました。


社会人になってから食物アレルギー対応
ツアー(石垣島)に行ってきました☆

そんな寂しい気持ちもあったので、移住してすぐの頃は不安でしたね。でも、職場の皆さんがすごく温かく迎え入れてくれて、「休みの日は何してるの?」って気に掛けてくれたり、お漬物や野菜、果物などを分けてくださって嬉しかったです。酒田の人って、ほんわかしていて優しいですよね! 入社当時の私は、学生時代の大きな失敗をずっと引きずっていたせいで、働くということに気負っていたし、会社ってもっとドライな雰囲気だと思っていたんです。でも配属された職場は私のアレルギーを理解して受け入れてくださり、私も肩の力を抜いて働き始めることが出来ました。
酒田に来た最初の理由は、自分のやりたいことが出来る会社があったからですが、酒田暮らし3年目には、この街で生きていくのもいいなっていう気持ちが生まれました。ちょうどその頃から同世代の友達が増え始め、人と人の温かい繋がりがあって、美味しい食材が豊富な酒田で「仕事だけじゃなく自分のプライベートの充実も図りたい!」って思ったんです。酒田に来て5年目を迎えた今では、関東から来た仕事関係のお客様をお連れして街を案内するなど、酒田市の魅力をPRしていますよ。


私のやる気スイッチを入れてくれる
同世代の仲間たち

酒田×食=ストレスフリー

アレルギー持ちでも食べることが大好きな私にとって、食材の豊富さはとっても大切です。酒田は旬の野菜や果物が美味しくてしかも安いし、地元の食材を生かしたお料理を提供している飲食店も多いですよね。そして、事前にお願いしておくとアレルギーにも対応したメニューを用意してくれるお店も多いので、友人やお客様とも同じテーブルを囲んで楽しい時間を過ごせるのも、酒田の人の優しさがあるからかなって思います。「アレルギー対応はしてません」なんて断られたことは一度もないですよ。酒田ってアレルギーの有無に関わらず、「食の自由度」が高いなって思います。
昔から好奇心旺盛で周りに感化されやすい性格なので、酒田で頑張る同世代の友人たちからの刺激もたっぷり受けていて、やりたいことを実現している人たちの話を聞いて「私もいつかカフェとか開きたいな」って大きな夢を抱いたこともありました。でも最近は、まずは今のメーカーに勤務しながらもっと成長し、アレルギーを持つ私だからこそ出来る仕事をたくさん見つけていきたいなって思いが強くなっています。就職活動していた頃の気持ちをブレずに持ち続けながら、仕事をしていきたいです。


大好きな台湾料理店「如意(にょい)」
アレルギーに対応してメニューを
変更してくれます

東京には食物アレルギーを持つ方々が活動する団体がたくさんありますが、酒田には少ない印象です。食物アレルギーで苦しんでいる方が少ないなら良いですが、大変ながらも元気に生活している自分としては、食物アレルギーに関して不安を抱いている方のために、少しでも力になれることがあるんじゃないかって考えたくなりますね。アレルギー対応食品を扱う会社の一員として、酒田調理師専門学校で食物アレルギーについての講義に足を運んだり、給食の献立についての集まりに出席させて頂いたこともあり、とても勉強になりました。今後は食物アレルギーの有無に関わらず、みんなが一緒に食事を楽しめる機会を作ったり、毎日の食卓を豊かにしていきたいという気持ちを持って、「食」に携わっていきたいと思います。

酒田でこそ叶う休日の過ごし方

休みの日はアクティブ派です! 海を眺めたり月山や羽黒山に登ったりと大自然を満喫する日もあれば、ホットヨガで汗を流してから友達と大好きなお店でご飯を食べる日もあります。
そして友人との時間が合えば、卵・乳・小麦を使わないなどのアレルギーに対応したお菓子の試作をしています。私自身が食べてみたいけど今まで食べられなかったスイーツに挑戦していて、2年前にはマルシェに出品する機会も頂き、アレルギーのない方からも美味しかったと言って頂きました。都会のイベントに個人で出店するのは敷居が高いって感じますが、地元ならではのイベントだったので挑戦できたかなって思います。そして秋田に暮らす大学時代の同級生が、私のFacebookで出店告知を見てわざわざ来てくれたのも嬉しかったです! 誰でも挑戦して良いんだって思える空気感と人の繋がりを感じることが出来た、思い出に残る初マルシェでした。
また、酒田市内にはキッチンが併設された素敵なレンタルスペースがあるんですが、そこで友人たちを招いて試作&試食会を開いたこともあります。


酒田市内のキャンプ場で


マルシェで販売したタルトと
マフィン


レンタルキッチンで楽しく試作


初の試食会の様子

移住を検討している方へメッセージ

酒田の人は本当に優しくて温かいので、それだけで移住する価値があると思います! さらに自然も豊かで食べ物も美味しいので、生活していくことをイメージすると酒田の良さがわかりますよ。私は魚介全般が食べられないので、お魚の美味しさをお伝え出来ないのが残念ですが、出張で酒田に来た方々が、翌日になっても「昨日のお刺身、美味しかった!」って話題に出すんですから、よっぽど美味しいんだなって思いましたね!(笑)。
そして、酒田ではやりたいことに挑戦できるので、時間とお金の使い方が変わりました。東京では、目的があるわけでもないまま街を歩き1日が終わるってことも珍しくないですよね? たくさんの刺激的なものがあるので、それに飲み込まれて時間が過ぎるというか・・・。でも酒田に来てからは、「今日は山に行こう」とか「ずっと食べてみたかったお菓子を作ってみよう」とか、しっかり時間の使い方を考えるようになりました。自分の時間がコントロールできているおかげで、なんだか気持ちが伸び伸びとして、心がリラックスしていくのがわかるんです。仕事と休日の切り替えがしっかり出来て、メリハリのある時間を過ごせてるなって実感しますね。


酒田の花火大会は本当に素敵☆

また、今住んでいる場所での友人関係が途切れてしまうのではと心配な方もいるかもしれませんが、きっと大丈夫! 私自身も、東京の友達とは今も繋がり続けていて、東京で集まったり一緒に旅行することもあります。それに、酒田をすごく気に入ってくれて、わざわざ花火大会に合わせて遊びに来てくれる子もいて・・・、むしろお互いの世界が広がった感じがします。
移住して5年、酒田も東京も生まれ育った仙台も、同じくらい大好きですが、酒田で暮らしながら行きたい場所へ行き、やりたいことが出来るこの環境が、とても気に入っています!


友人との旅行
(サツキとメイの家@愛知)


友人との旅行
(モザイクタイルミュージアム@岐阜)


友人が遊びに来てくれました!

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