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千葉県出身

伊藤 文恵さん

地方での暮らしには、想像以上に選択肢があります

移住を機に、夢だったイラストレーターとしての一歩を踏み出した伊藤文恵さん。
東京では、憧れの会社でやりがいのある仕事をしていたという伊藤さんに、移住のきっかけや酒田での暮らしについて伺いました。

昔から、何かに没頭するのが好きなタイプでした

父親の仕事の関係で、マレーシアや神奈川県での暮らしを経て、小学生からは千葉県に住んでいました。
現在イラストレーターとしても活動していますが、絵を描くことは小さい頃から大好きでしたね。絵が上手な子と仲良くなったのがきっかけで、その子とイラストを交換したり、好きなキャラクターを真似て描いたりと、紙と鉛筆さえあればつい何か描いてしまうという感じでした。漫画にもずいぶんはまりました。

根本的に好きなことには集中できるタイプみたいで、高校時代は音楽に興味を持ったのがきっかけでラジオの世界に引き込まれました。新しいアーティストや楽曲を知ることも楽しかったですし、出演しているアーティストが他のメディアでは見せない「素」を出して話をしてくれるところにラジオの奥深さを感じ、どんどんはまっていきました。
そして大学では今までの「好き」を幅広く学べそうな明治大学文学部の文芸メディア専攻を選択し、ジャーナリズム論やメディア論などを学びました。マスコミや広告関係を志望する学生も多い学部で、そこでのカリキュラムは興味深いものがたくさんありました。また、ラジオ番組を作るサークルに入り人前でラジオDJとして話したり、コミュニティFMでミキサー(*1)のお手伝いをさせて頂いたりしました。
大学在学中に東京での一人暮らしを始め、こちらに移住するまでは都内で暮らしました。



*1 音声や音楽を調整する仕事

 

インターネット広告の世界へ

就職活動するにあたっては、広告業界を中心に志望しました。大好きなラジオに関わりたい気持ちもありラジオ広告の業界も検討しましたが、広告業界でやっていくならウェブのほうが時代の流れ的に面白いかもと考え、インターネット広告代理店に就職しました。インターネット広告とは、ウェブサイトやSNS、メールなどに表示される広告のことで、今でこそだいぶ世の中に浸透してきましたが、私が働きだした頃はその市場がすごい勢いで拡大しているところだったので、代理店の役割が大きかったように感じます。クライアントさんの意向を形にしながら魅力ある広告を作成する仕事はやりがいがありましたが、だんだんとクライアント側になって商品戦略を考えて広告を打ち出す立場にも興味が湧いてきて・・・。
新卒3年目の頃、大好きな生活雑貨の会社がウェブ部門の求人を出していたので迷わず転職しました。商品や伝えたいことに合わせて、どんな表現でどんな媒体に打ち出せば良いかなど、他部署と連携しながら検討し、インターネット広告を組み立てていく仕事はとても楽しかったです。


東京時代の仕事1


東京時代の仕事2

仕事と子育てのベストバランスを求め移住を決意

大学時代に出会った夫とは、社会人3年目に結婚しました。夫は横浜で生まれ育ちましたが、祖父母の家が酒田市にあり両親は既に酒田へ移住していたので、自分たちも50~60歳くらいになったら酒田で暮らすのかなというイメージはありました。でもあまりに先の未来のことで、結婚当時は移住について夫とじっくり話したりはしていませんでしたね。

結婚して数年後に長女を授かった際は、産休・育休を取得しながら働き続け、好きな会社でやりがいのある仕事をしているという喜びを持っていたのですが、夫の仕事が多忙を極めていたため、ほぼワンオペ育児状態でした。私の両親は千葉にいるので助けに来てくれたりもしましたが、片道2時間近く掛かる負担を考えると気軽にはお願いも出来ず・・・。
兄弟で同じ園に入れない可能性も高い都内の保育園事情もあり、第2子となる長男を授かった際には、再び産休・育休は取ったものの、その頃には仕事のやりがいよりも子育てに感じる負担や不安のほうが大きくなっていたんです。そして私たちも酒田へ移住して、両親の近くで暮らすのも良いのかなぁという考えが自然と浮かびました。夫も仕事に追われる状況を変えたいと思っていたようで、お互い抵抗なく移住に向けて動き始めた感じでした。


東京での子育ての様子

移住を見据え、テレワーク可能な会社へ転職

移住を決めてからは、酒田をはじめとした山形県内で、これまでのスキルを活かせるような仕事探しをスタートしました。暮らしをイメージしていく中で、慣れない土地での生活に加え職場環境も新しくするのは大変かもな、今まで築いてきた人間関係を活かしながら仕事をしたいな、という気持ちが大きくなりました。そこで、テレワークという働き方を推進している知り合いの会社に転職し、庄内で暮らしながらその会社に所属するというスタイルが実現したんです。移住する前に働き方を明確にできたのは、心強かったですね。
将来の計画をきっちり立てたい!という性格ではないんですけど、常に「こうなったら良いな」「こんなふうに生きたいな」っていう理想は描いているので、友人からは「思いを具体的にイメージしているから、チャンスがあった時に動けるんじゃない?」って言われたことがあり、そうなのかもしれないなとは思っています。


酒田市内にある「LIGHT HOUSE」の
コワーキングスペースを利用しています

移住して4年目となる現在も、変わらず会社員としてテレワークをしていますが、最初の頃は私もクライアントさんもリモートミーティングに慣れていなかったので、ちょっとしたすれ違いが生まれて歯がゆい思いもしました。でもコロナ禍の状況で世の中のテレワークに対する理解が深まったので、最近はとても仕事がしやすくなりましたね。また酒田市はコワーキングスペースも充実しているので、仕事の内容や気分によって作業場所を変えられるのも、テレワーカーとしてはありがたいポイントです。

 

移住を機に、イラストレーターとしても始動!

小さい頃から好きだった絵を描くことを仕事としてやってみたいという思いはずっと持っていたのですが、東京にいた頃はとにかく余裕がなかったので、きっと無理だろうと諦めていました。でもテレワークになれば時間的余裕が生まれるはずだから、移住したらイラストレーターに挑戦する! と決め、移住決断後は名刺を作ったり必要な道具を揃えたりと準備をしていました。


産直のリーフレットを制作させていただきました


似顔絵は、その方らしさが出るように心掛けています


酒田市のお隣、三川町の「菜の花むすめ」をイメージしたイラスト

まだまだ会社員としての仕事が9割ですが、イラストレーターとして地域に根付いたお仕事をいただく機会も少しずつ増えてきていて、やりがいを感じています。東京ではインターネット広告という仕事柄、その広告を見た方の反応を見る機会はなかったんですが、移住して産直のチラシのお仕事をさせて頂いた際は、年齢層によって読みづらいと感じるフォントや色があることを知るなど、生の声が聞けて勉強になりましたし、「イメージしていたものを形にしてくれて助かった」と言って頂けたりと、近い距離感での反応がもらえて嬉しいなって思います。

 

近所の散歩が大冒険!酒田での暮らし

現在は夫の両親が住んでいる家を少しリフォームして一緒に暮らしています。自分たちの住居を新築したいという思いはなく、せっかく受け継がれた家があるのだから、それを大切に使っていきたいという気持ちが強かったので同居を希望しました。食事の支度などはお義母さんにやって頂くことが多く、夕方には子どもたちと散歩する余裕が生まれ、すごくありがたいです。
とにかく自然が豊かなので、近所を散歩するだけで発見がたくさんあって楽しい時間を過ごしています。4歳の息子が虫取りに興味を持ち始めたので、親子で虫たちの行動をじっくり観察しています。私自身も幼い頃から虫の観察など大好きだったので、ギンヤンマやゲンゴロウなど実物を見た時は子どもより私のほうが大興奮!! 「実在するんだ!」って嬉しくなりました(笑)。こんなふうに自然に触れられるのも、移住して良かったことの1つですね。


移住を検討している方へメッセージ

都会で暮らしていると、今の生活を手放した先をイメージする余裕はなかなか持てないと思うんですけど、実際に移住してみると、働き方も楽しみ方もお金の使い方も、選択肢が多くてたくさんの発見がありました。地方は選択肢が少ないなんてことは全然ないなあと思います。
北前船に相馬楼、即身仏など、酒田市を含む庄内地域は、歴史的にも文化的にも面白いものが身近にたくさんあって、地域の歴史や文化を知ることができるのがすごく楽しいので、地域に関わるお仕事させていただ際は、常にワクワクした状態で取り組ませていただいています。
移住してから今までは、頂いた仕事に向き合っていくという感じでしたが、これからは、自分の出来ることや作品をもっと発信していきたいと思っています。酒田をはじめとした庄内地域の風景や地域のお祭なども、イラストを通してPRしていきたいです!


夏も楽しい!


冬も楽しい!


イトウフミエ
「見た人もにんまり笑顔になる」をモットーにイラストを描いています。
HP https://hellofumie.com
twitter https://twitter.com/hello_itofu


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