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北海道出身

小関 久恵さん

地域の中で人と人とが関わり合う光景が大好きです

北海道から移住し、東北公益文科大学の教員となった小関さん。
小関さんが体感した、地域との繋がりを通して広がっていく世界は、移住後の暮らしのイメージを描くヒントになるかもしれません。
(一時的にマスクを外して撮影しています)

プロフィールを教えてください

北海道の十勝地方で生まれ育ちました。十勝は広々とした平野や雄大な川が流れているなど、酒田市を含む庄内地域と似ている点があるかもしれません。高校卒業まで実家で暮らし、札幌市にほど近い地域にある大学への進学を機に一人暮らしを始めました。道外の大学も視野に入れながら進学先をリサーチしていたのですが、福祉の分野を学びたいという大きな目的に加え、幼少の頃から習っていた水泳にもう一度打ち込みたいという想いがあったので、「水泳部がある学校」というポイントも重視して大学を選びました。

そこまでの意気込みを持って部活に入ろうという新入生は少なかったみたいで、「やる気のある一年が入ってきたぞ」って、先輩方から可愛がっていただきました(笑)。
同大学の大学院を修了後に酒田市へ移住。現在に至るまで東北公益文科大学の教員として、主に社会福祉学やソーシャルワークに関する科目などを教えています。私が学生たちに常々伝えたいと思っていることは、「自分の好きなこと、得意なことを大切にしよう」ということです。「私にいい」ことと「世界にいい」ことはつながっていて、「私の一歩」の積み重ねが、社会へ循環していくと思うからです。私自身、今振り返ってみても人生の中で「好きなこと」を大切に選択し、今に至っているなあと感じています。


大学時代
水泳部の仲間とハワイへ行きました

 

福祉の分野を志したきっかけは?

小学生の時に、ユニセフ親善大使を務めていた有名タレントのドキュメンタリー番組をテレビで観て、ものすごい衝撃を受けたんです。自分と同じ年くらいの子どもたちが、充分な栄養が摂れていないこと、学校へ通って教育を受けることができない世界があることに驚きました。同時に、「こんなことがあってはならない!なんとかしなくちゃだめだ!」という使命感が、はっきりと芽生えた感覚がありました。小学校低学年の頃にそんな使命感を抱くなんて、今振り返るとちょっと変わった子どもでしたね(笑)。
でもその気持ちは一過性のものではなく、「人間としての尊厳」を守るためにはどうしたら良いんだろう、何ができるだろうって今でも考えています。中学校に入って、自分が今まで考えていた事は「福祉」という分野に属するのだということや「社会福祉士」という資格があることを知り、その分野を志そうと決めました。


 

大学の紹介やお仕事のやりがいを教えてください

東北公益文科大学(以下、公益大)は公益学部公益学科に、経営、政策、地域福祉、国際教養、観光・まちづくり、メディア情報の6つのコースを設置しています。『尊重し調和へ』を理念とし、日本ではじめて公益学に挑戦する、地域に根差した大学です。小規模校ならではの本学の強みは、1人の学生に対して複数の教員が関わっていくということです。複数の学問分野や多様な視点からのフォローが可能となり、本人にとって最良の選択ができるようサポートしています。

私の主な業務内容は、講義やゼミでの学生たちとの関わりですが、なかでも、社会福祉士を目指す学生たちの実習に向けた事前学習や実習での学びを振り返る事後学習の指導を行っています。
私が関わる学生の多くは、社会福祉士を目指して入学してきているため、学ぶ目的がクリアで志が高い子が多いですね。自分の夢に向かって意識を高く持って頑張っている学生たちですが、実習で壁にぶつかる子や「社会福祉士」という仕事の責任の重さを感じナーバスになる子もいます。そんな時はじっくりと話を聞いたり多方面からフォローするのですが、そうしているうちに、悩んでいたことがスーっと溶けていく瞬間や学生の意識がガラっと変わる瞬間に出会うことがあります。顔つきや話し方まで変わったりして・・・。そんな風に学生が成長する姿を間近で見られることに、この仕事のやりがいを感じますね。


講義中の様子

この仕事に就いたばかりの頃は、自分自身がつい先日まで大学院生だったということもあり、なかなか自信が持てず、学生に育ててもらっているという感じでした。学生たちと歳が近い私だからこそ聞けることもあるかもしれないという想いで勤めながら、あっと言う間に15年以上が経ってしまいました。教育学を専門にしてきたわけではなかったので、現在も教育に関する学会などで学ばせて頂くことが多く、また、学生一人一人によって必要な言葉掛けやそのタイミングなども違うので、何年たっても日々勉強です。学びを深めることは自分自身の大切なエネルギー源になっています。


ソウルでの学会に
ゼミ生を連れて参加

 

移住する前に酒田を訪れたことはありましたか?

実は、結構深い(?) 関わりがあったんです!!
大学時代に所属していたゼミが離島で高齢者対象の調査を行っていて、北海道の離島を中心に調査していたんですけど、比較として他県の島のデータも集めようということになり、酒田市の飛島へ調査に行くことになったんです。それで、大学4年生の夏休みに1週間くらい滞在しました。
全戸を調査するため手分けして島内を回り、アンケート調査させていただきました。玄関先でということもありましたが、お宅に上がらせて頂いて一緒にお茶を飲んだり、夕飯までご馳走になってくるゼミ生もいましたね。調査期間中にお世話になった飛島の旅館の女将さんとは移住後も関わりがあり、大学院生の時にも訪れましたし、教員になった後も学生たちを連れて飛島でフィールドワークをしています。


飛島へ調査に訪れた際の1枚


山居倉庫のケヤキの大きさに感動しました

この訪問の前後で酒田市本土にも滞在し、本間美術館や土門拳記念館なども廻ったのですが、バスで公益大の前も通っていたんです。「なんだろう、このキレイで大きな建物は」と思っていましたが、後から考えてみると、ちょうどその頃は本学が開学したばかりの時だったんです。まさか数年後、そこで働くことになるなんて、夢にも思っていませんでしたね。
求人数が多い職種ではないため、全国どこへでも行くつもりで就職活動していた中で、関わりのあった酒田市の大学にご縁があったことは奇跡だなと感じています。

 

「日向(にっこう)地区」との関わり

私が鳥海山の麓に位置する日向地区と最初に出会ったのは10年ほど前でしょうか。日向コミュニティ振興会の方から地域コミュニティの在り方の講演依頼を受けたことがきっかけでした。そしてほぼ同時期に、高齢化していく地域の中でどのように生きていくかを考える「地域支え合い研修会」にファシリテーターとして参加させていただき、日向がモデル地区となっていたことから関わりが深くなっていきました。
ワークショップを通して、住民の皆さん自身に地域の課題や強みを出してもらい「今」できることを一緒に考え、実行できることから少しずつ取り組みを積み重ねています。そして、浮き彫りになった課題の中で大学として出来ることは何かを考え、地域のニーズに呼応する形で、学生も地域と繋がっていけるような教育プログラムを編成していきました。


日向地区、企業、行政、大学の協働での
カフェ作り
学生も大活躍でした

その取り組みの1つが「親子防災キャンプ」です。地域の方から防災に関する課題が挙がったことで、地域の防災をテーマに学生が企画・運営を行い、座学で学んだことを実践に生かし、リアルな地域活動を体感する機会をいただきました。やはりフィールドワークで地域と関わることは、学生たちの気持ちや価値観が揺さぶられる特別な体験になり、大きな成長のきっかけになっていると感じますね。地域の子どもたちと楽しみながら防災について学んだり、夜にはみんな一緒に体育館で寝たりする姿からは、大学内とは全く違う学生の持つ力を垣間見る機会となります。


学生たちが制作した防災ハンドブック

私自身、日向コミュニティ振興会の方とは、様々な地域に一緒に視察に行かせていただくなど「戦友」のような関係を築かせていただき、自分の福祉に対する想いを地域づくりの実践の中で共有できる、貴重な出会いを頂きました。


秋田県五城目町の古民家を視察


千葉県鴨川市にある
道の駅を視察


日向地区の星空
地域の方がご自宅でBBQを開催してくださいました

 

学生活動団体「Praxis(プラクシス)」とは?

本学には、中長期的に学外に出て学ぶ学修プログラムがあります。これは一ヵ所の機関・フィールドで集中的に実習して問題解決に挑戦するものです。その1つのフィールドとして日向地区で3ヶ月ほど過ごした学生が、授業としての自分の学びが終わった後も、地域に恩返しがしたい、地域と繋がっていたいという想いを抱き、2018年に学生活動団体「Praxis(プラクシス)」を立ち上げました(Praxisはドイツ語で実践という意味)。
Praxisのメンバーは、「自分の好きなことや得意なことを活かして、地域のためになる」ことを大事にしていて、具体的な活動としては、日向地区にある「鳳来そば」という蕎麦屋さんの空きスペースでカフェを開いたり、オープン前から関わっている「日向里かふぇ(※1)」でランチを担当するなど「大学生としてできること」を実践しています。


Praxisのメンバーが発行した雑誌
https://instagram.com/nikko.koeki
(Praxis Instagram)

ランチを担当するタイミングに合わせて、ゼミ生も子どもの遊び場「にっこりランド」を企画・実施しています。お母さん・お父さんにゆっくりしてもらうために…という目的で学生が発案したのですが、一人で遊びに来る児童や、親子で一緒に楽しんでいってくれることも多く、学生たちも一生懸命準備して楽しんで運営しています。これからも、自分たちの「楽しい・好き」を大切にしながら、地域のためにもなる「場づくり」を目指していければ良いなあと思っています。


地域の方から畑をお借りして、学生が育てています
その食材がカフェメニューに使用されることも!

私はPraxisのスーパーバイザーとして、学生たちと一緒に活動に参加しながら、時には地域と学生の間に入って調整などを行っています。地域には地域のリズムやスケジュール感があるわけですが、そのリズムが学生とは少なからず違いがあって、ご迷惑をお掛けすることもあるんですよね。そんな時に、お互いの心が閉じてしまわないようにバランスを取ってより良い方向に進めていくことは、昔からの私の夢だった社会福祉士の役割に似ているのかなとも感じます。
学生の成長はゆっくりなので、そのことを周りの大人や地域にご理解いただき、学生は地域の想いを受けとって、お互いの考えを出し合いながら相談し合える関係が、日向地区の皆さんとPraxisの間で作ることが出来ているのかなとは思いますね。まさにこの循環は「公益」であり、様々な年齢や特徴をもつ人たちが共存できる社会へ通じていくものだと考えています。


にっこりランド
~バルーンツリーづくり~
https://www.instagram.com/nikkori_land


Praxis主催の星空キャンプ
防災キャンプを継承して行なわれています


日向里かふぇは地域のワークショップでも活用されています


※1 地域住民の居場所づくりとして、民間企業監修のもと、廃校だった日向小学校を地域住民と関係者でDIYをしてオープンしました
https://www.facebook.com/niccoricafe/

 

酒田での暮らしはいかがですか?

大学から日向に向かう途中に臨む鳥海山の眺めが大好きです。毎日、そして季節や時間ごとに違う表情の鳥海山にいつも見惚れています。大学のキャンパスからも望めるのですが、きれいに見えた日は得した気分になりますね(笑)。
また、大学への通勤時に出羽大橋を渡るのですが、後ろに鳥海山、左に月山、右に日本海、下には最上川というロケーションがいつも贅沢だなと思っています。先日も、夕方に淡いピンクの空に真っ白く雪をかぶった鳥海山が美しくもかわいらしくもあり、こんな素敵な景色が観れるなんて今日はラッキーだなと思って帰宅しました。
でも、私にとって最高な瞬間は、地域の豊かな自然の恩恵を受けながら、地元の子どもたちや住民のみなさんと学生の間に、交流や学び合いが生まれる時間です。そういう意味では、自然の風景も大好きですが、人と人とが関わっている姿が一番好きで、ずっと見ていたい景色かもしれません!


贅沢な景色

休日は完全にインドア派で、1日中映画を観たり本を読んだりしています。職業柄、日々たくさんの人と接するので、1人になって頭の中を整理する時間は必要だと感じています。
大学教員になるきっかけをくれた恩師に鍛えられたこともあり(笑)、お酒は何でもいただくのですが、酒田はやっぱり日本酒ですよね。辛口なお酒が好みです。
酒田市日吉町の「すしまる」さんは大好きなお店で、元気になりたい時など頻繁にお邪魔しています。お寿司やお料理が本当に美味しく、明るい大将は公益大のことも応援してくれるので、私にとっては「酒田のお父さん」的存在で、お腹も心も満たしてくれます!! また酒田の方はオープンマインドな方が多いからか、食事をしていると、近くに座っている方と自然と会話が弾んで繋がりが生まれていくことも多く、そういう出会いもありがたいなあと感じます。


「すしまる」さんのお料理は絶品です!

 

移住を検討している方へメッセージ

移住を検討している段階から、地域に関わっていくことは出来るんじゃないかなと思います。昔は、「観光」か「定住」の2択でしたが、今は「関係人口」という言葉も頻繁に耳にするようになりましたよね。これって結構大切だと思っていて、関係する形は色々あって良いと思うんです。自分に出来る範囲のところから繋がってみる、例えばふるさと納税もその1つですし、気になる地域のInstagramをフォローしてみるなど、1つ1つのアクションは大きくないかもしれないけれど、それを積み上げていくことで少しずつ繋がっていくことも出来ると思います。

住民と学生の小さな関わりが大きな一歩へと繋がっていくPraxisの活動のように、一人一人の「好き」や「得意」を実践していくことが、やがてはみんなが心地よい社会へと繋がっていくと思いますし、酒田の地域性として「民」のパワーも大きいと感じるので、これからの酒田市の発展も楽しみです!

そして私たち東北公益文科大学も、自分たちに出来ることは何かを考え続け、地域に貢献していきたいと思っています。


日向里カフェ監修に携わって頂いた企業のウェブサイト「ローカルニッポン」内に学生が記事を書かせていただきました
https://localnippon.muji.com/5163/


東北公益文科大学 酒田キャンパス

郵便番号:998-8580
住  所:山形県酒田市飯森山三丁目5番地の1
電話番号:0234-41-1111(代表)
FAX番号:0234-41-1133
https://www.koeki-u.ac.jp


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